太宰治の中期作品における女性像

従来の研究を見てみると、日本では太宰治に関する研究が多いが、国内での研究は少ない。そして、最も多いのは太宰治の後期の作品で、中期作品に関する研究は少なく、さらに中期作品における女性像に関する論文はほとんどない。
本稿では中期作品における太宰治の女性像を研究するのを目指している。中期作品における様々な題材の作品と太宰治の人生、時代背景を結びつけて作品における女性像を分析し、さらに現実における太宰治の理想女性を探してみる。
まず、昭和13年から昭和20年にかける中期作品を年ごとに2本の作品を選び、計16本の作品に登場している56名の女性人物を表でまとめ、他人（男性のみ）からの評価、呼称、態度、またその良し悪しを図で分析し、女性像を明らかにする。その後、家庭環境と周りの女性との絡みという二つの面から、その女性像が形成されている原因を探る。その結果、太宰治の中期作品における戦争下の女性像は「美しい」、「上品」、「夫とともに家庭を守っている」というような女らしい女性だという女性像が見られる。
 

キーワード：　太宰治；家庭環境；女性像
摘  要
有关太宰治的研究，在日本早已盛行，但国内的相关研究却相对少很多。其中研究最多的是关于太宰治的后期作品，中期作品却鲜有研究，而研究中期作品中女性形象的文章更是寥寥无几。
本文旨在研究太宰治中期作品中女性人物的形象，通过分析中期中各种题材的小说，并将其与太宰治的人生经历以及当时的时代背景结合起来，试着进一步探求太宰治在现实生活中的理想女性形象。
首先，从昭和13年到昭和20年间的中期作品中，每年选出两部作品，并将这16部作品中登场的56名女性以表格的形式总结出来，通过条形图来分析他人(男性)对女性人物的评价、称呼、态度、以及用词的褒贬，试着展现出一个清晰的女性形象。其次，从太宰治的家庭以及与他与周围女性间的纠葛这两个角度，探求女性形象形成的原因。结果，可以看到这样的一个女性形象，她们具有女性该有的特点，美丽、文雅、与丈夫共同守护家庭。
 
关键词：太宰治；家庭环境；女性形象

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